静岡県伊豆の国市の山の中で行われたRONDAN FES 2026 in IZU。初参加してきたので、前編・後編に分けて、当日の様子をお伝えしようと思います。
3回目となる本イベントは、前回までと引き続きcrotchet / schoolで開催されました。
最寄り駅の伊豆長岡駅は「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地ということもあり、駅は全面に登場人物のイラストが描かれており、地元のバスやタクシーもラブライブ仕様になっています。

会場までは駅から無料のシャトルバスが出ており、基本ミニバスなので、宿泊予定の方は事前に大きな荷物をホテルに預けた方がいいかもしれません。バスの本数は多く、目的のイベントの時間に合わせて行きやすかったです。会場まで20分ぐらいあるのですが、道中韮山(にらやま)反射炉を見かけました。遠目からになってしまいますが、道中の楽しみとしてオススメのスポットです。
廃校舎をリノベーションした会場では、台風30号の影響で大雨の中、大勢の人で賑わっていました。入場手続きを終え、会場の玄関で出迎えてくれたのはMADARA MANJIさんの作品。無骨なコンクリートの柱に打ち付けられたまだらの文様をした銅板は、学校という調和を乱すような力強さと無機質な物質としての冷たさを両方感じさせるようなアンビバレントな印象を受けました。

会場は4つの教室で行われ、それぞれソクラテスステージ、ルソーステージ、アーレントステージ、チョムスキーステージという錚々たる名前がつけられています。1階のアーレントステージとチョムスキーステージは一般的な学校の教室で30脚ほど椅子が置かれており、イベントによっては立ち見になる場合もあるので、座って聞きたいという方は少し早めに入場することをオススメします。他の2つのステージは2階にあり、大部屋となっています。ソクラテスステージは座敷に座って聞くシステムなので、足がつらないように注意です。
今回のお客さんの層は比較的40〜50代の方が多い印象を受けました。中にはご夫婦で聞きに来られる方もチラホラ。また、伊豆の国市在住の方は入場料無料ということもあり、地元の方もいらしていました。20代や30代の方もそこそこおられ、登壇者の方やトークの内容によっては若い方が多いイベントも見受けられました。
1日目は12時からオープニングがあり、MCのジョー横溝さん、三輪記子さん、島田雅彦さん、キニマンス塚本ニキさん、鈴木エイトさん、白井聡さん、ダースレイダーさん以上のメンバーが集まり、一同意気込みを語りました。三輪さんは当日がお誕生日ということもあり、ケーキと花束のプレゼントや会場のお客さんと一緒にお祝いの歌を歌うといったサプライズも。和やかなムードで開幕したRONDAN FES。その後、目的のトークイベントがあったため、次の会場に向かいました。
DAY1:「テック右派」とは何者か——アメリカの歴史・政治・宗教から読み解く
石川敬史・柳澤田実・井上弘貴・白井聡(MC)
昨今アメリカを中心に世界中で話題になっている「テック右派」。政治学者の井上弘貴さんはテック右派を「反リベラル的価値を持っているテック業界の人」と簡潔に定義した上で、現在に至るまでのテック右派についてのイントロダクションを話し始めました。続いて柳澤田実さんが彼らの背景を深掘りしていきます。曰く彼らはイデオロギー的な人ではなくビジネス的な人間で、イノベーションを規制されるような状況を良しとせず、全体のダイナミズムの中で生まれた存在ということ。一方でPayPalやPalantirなどの共同創業者であるピーター・ティールは注目すべき存在であり、彼は左派にも現状の右派にも限界を感じ、第三の道としてキリスト教的な倫理や道徳に基づいた共同体を模索しているといいます。その後政治学者の石川敬史さんのアメリカ史における現在の状況についての説明が加わります。
私は政治に疎いので、世界で起きている右派化という問題について詳しく考えたことはなかったのですが、このトークイベントを拝聴して民族性やその国の歴史において右派という立場が異なると強く実感しました。特に柳澤さんのお話はとても興味深く、共同体としてのキリスト教(今回の場合カトリックですが)がある種の非常口になり得るということを考えた時、宗教が持つ強さとその脅威を改めて考える機会になりました。
お昼すぎになったので屋台を見に行きました。以前は校庭で出店していたそうですが、今回はキッチンカーを除き、室内に出店となったそうです。7〜8店ほどあり、地元の食材を活かしたハンバーガーや、米粉を使ったドーナッツ、地元のビールなど色々種類があり、2日間かけて回るにはちょうどいいぐらいの数です。
1日目は伊豆のビールと地元の方が出店されているお店で購入しました。目に止まって購入したコロッケはポテト100%コロッケで、じゃがいものホクホク感と手作り感の良さがあって、心が穏やかになりました。
これは私の反省点なのですが、自販機といったペットボトル飲料を購入できる場所がないため、お茶やお水といったものが欲しい時困りました。ジュース類やお酒は屋台があり購入できますが、服薬が必要な方やちょっとした休憩の時などに飲み物が欲しい方は事前に持参することをオススメします。


腹ごしらえをした後は2つ目のトークイベント。
DAY1:「深掘TV」×「エアレボ」SP! 壊すか、変えるか、それとも諦めるか——日本の未来をめぐる時事放談
宮台真司・島田雅彦・鈴木エイト・八幡愛・白井聡(MC)
序盤は村上龍さんの訃報を受け、各々の村上さんに関するエピソードをお話ししていました。特に面白かったのは八幡愛さんが村上春樹さんの本が同級生の話題にあがり、本屋で彼の本を買おうとしたら隣に置いてあった村上龍さんが目に留まり彼の作品にハマったというもの。私自身も似たような経験があるため、思わずあるあるだよねと共感してしまいました。(私の場合タイトルに怖気づいて手に取りませんでしたが)
その後現在の政権についての所感などの話が続き、特に宮台さんの独特な話し方に惹きつけられて前のめりに耳を傾ける観客も見られました。
いい意味で堅苦しくなくざっくばらんな話し合いの空気感が良かったです。
この後もトークイベントがあったのですが、長時間のイベントによる疲れと帰りの電車が遅延していたので、少し早く帰ることに。
当日知ったのですが、現地チケットには配信チケットも付いてるので、時間が被って見られなかったトークイベントも自宅で視聴することができます。配信のみのチケットもあり、遠方で現地に行くことが難しい方でもオンラインで視聴できます。また会場の2階には配信ブースもあり、裏番組的なノリで登壇者の方々が突発配信をされていました。RONDAN FESのYouTubeチャンネルではこの配信が無料で視聴できるので、気になっている登壇者のお話を聞きたいという方や少し会場の雰囲気が知りたいといった方などはそちらも覗いてみるとより楽しめると思います。
後編は2日目の様子をお届けします。お楽しみに。